Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
娘は刃物で左の胸と右の脇腹を突かれて、血まぶれになって死んでいる。それだけでも随分大騒ぎになりそうなところへ、おまけに例の一件が絡んでいるんですから、みんな不思議がるのも無理はありません。
こうなると、いよいよ捨てては置かれなくなって、町奉行所でも探索をはじめることになりました。その役目を云い付かったのはわたくしで、善八という子分をつれて、すぐに新屋敷へ出かけました。大木戸外の事件ですけれど、事柄がすこし変っているので、特に町方から選み出されたようなわけで、わたくしも役目のほかに幾らかの面白味も手伝って、すぐにそこへ出張って行って、まず近所の人たちに聞きあわせると、前に云った通りの始末で、娘は何者だか判らないで、まだ誰にも引き渡すことが出来ないということでした」
あたまの上の風鈴が忙がしく鳴り出したので、半七老人は檐をみあげた。
「おや、風が出ましたね。空の色も悪くなって来た。又ゆうべの出直しかも知れませんね。はは、大丈夫。この頃は滅多にゆうべのような雷は鳴りませんよ。なに、雷獣でも出て来たら、二人で取っ捉まえて金儲けをしまさあ。はははははは。だが、まあ、こっちへ引っ越しましょう。