Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans

Aozora Bunko

「どうしたんでしょうねえ。内のおかみさんも大変に心配しているんですよ。お力ちゃんが一緒に帰ってきて、途中でこんなことがあっちゃあ、甲州屋さんにも申し訳がないと云って……」

「皆さんはもうお寝みになりましたか」と、お広は訊いた。

「ええ、おかみさんもお紋さんもよそから帰って来て、もうすこし前に寝ましたが、起しましょうか」

「いいえ、それには及びません」

「ばあやさんはまだ探して歩いているんですかえ」

「なにしろ心配でなりませんからね。この方とごいっしょに、あてども無しにそこらを探してあるいているんです」

「それは御苦労さまですね。お察し申します」

「どうぞ皆さんによろしく」

こんな挨拶をして、お広はここを立ち去った。半七もあとから黙って付いて行った。夜もおいおいに更けて来て、とても今夜のことには行きそうもないので、半七は町内の角でお広に別れた。

家へ帰る途中で、半七はいろいろに考えた。若い娘が清書の不出来を師匠に叱られて、朋輩の手前、親の手前、面目なさに姿をかくすというようなことは、あながち世間に例のない話でもない。お粂の意見もそれであった。婚礼を破談にされた遺恨から、心のひがんだ女親がその復讐のために、相手の男の妹娘をどこへか隠したのであろうというお広の密告は、少しく穿ち過ぎた想像ではあるが、そんなことが決してないと