Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
主人の甥とあまり睦まじくすることが主人の眼にとまって、出代りどきを待たずに暇を出されたらしいと云う者もある。お玉ヶ池へ行ってからは、去年の盆の宿さがりに千住の家へ一度帰って来ただけで、今年になっては正月にも盆にも顔をみせない。主人の家が無人で、めったに出られないというのであった。
松吉がゆき着く前に、お玉ヶ池の近所の人から知らせて来たので、お葉の家ではもう娘の変死を知っていたが、あいにく母のおまんは風邪をひいて四、五日前から寝込んでいる。弟の源吉はまだ子供でどうすることも出来ないので、日が暮れてから近所の人たちが死骸を引き取りにくる筈になっている。松吉は病人の枕もとへ行っていろいろ詮議したが、まえにも云った通りでお葉はこの頃めったに帰って来ない。母は二度ばかりもお玉ヶ池へたずねて行ったが、主人の其月はいつも留守であったので、一体どんな人であるか、その顔さえも見識らない。そういうわけであるから、主人の家の事情などはなんにも知らない。勿論、主人と娘とのあいだにどんな関係があるか、ちっとも知ろう筈はないとおまんは云った。かれは正直な田舎風の女で、嘘をつきそうにも見えないので、松吉は先ずそのくらいにして引き揚げて来た。