Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans

Aozora Bunko

「情夫だかなんだか知りませんが、若い男が時々にたずねて来るようです」

六助の話によると、先頃から一人の若い男がときどきに加賀屋の近所へ来てうろうろしている。自分が荷をおろしているところへ来て、蕎麦を食ったことも二、三度ある。そうして、誰かを待っているらしい素振りであったが、やがてそこへ加賀屋の女中が出て来て、男を暗い小蔭へ連れて行って何かひそひそと囁いていたというのである。その年ごろや風俗がこのあいだの晩、両国の橋番小屋の外にうろついていた男によく似ているらしいので、半七はいよいよ彼とお鉄とのあいだに何かの因縁の絆わっていることを確かめた。

「その男というのは江戸者じゃございませんよ」と、六助は更に説明した。「どうも熊谷辺の者じゃないかと思われます。わたくしもあの地方の生まれですからよく知っていますが、詞の訛りがどうもそうらしく聞えました。加賀屋の若いおかみさんも女中も熊谷の人ですから。やっぱり何かの知り合いじゃないかと思いますよ」

「そうだろう」と、半七もうなずいた。

国者同士が江戸で落ち合って、それから何かの関係が出来る。そんなことは一向めずらしくないと彼も思った。