Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans

Aozora Bunko

「もう判ったかね」と、半七はうなずいた。「あの掛地を持って来たのは長作だろう。ほかには何も持って来なかったかえ。羽織を持って来やしなかったか」

「持ってまいりました」と、お豊は泣きながら云った。

「先月の二十四日の晩だろうね」

「左様でございます」

「もう斯うなったらしようがねえ。何もかもぶち撒けて云って貰おうじゃあねえか。長作はあの掛地と羽織を持って来て、なんと云ったえ」

「博奕に勝って、その質に取って来たと云いました。掛地や泥だらけの羽織はすこしおかしいと思いましたけれど、羽織の泥は干して揉み落して、そのままにしまっておきました」

「その羽織はまだあるかえ」

「いいえ、もう質に入れてしまいました」

「おめえのお父っさんも、その晩に森川宿の方へ行ったろう。なんの用で行ったんだ」

「内の人を迎えに行ったのでございます」と、お豊は云った。「藤代様のお屋敷の大部屋で毎日賭場が開けるもんですから、長作はその方へばかり入り浸っていて、仕事にはちっとも出ません。お父っさんも心配して、今夜はおれが行って引っ張って来ると云って、雪のふる中を出て行きますと、途中で行き違いになったと見えまして、長作は濡れて帰って来ました。