Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans

Aozora Bunko

その折れた路がまっすぐに付いているのを見ると、どうも誰か登ったらしい。ここらに猿はいめえじゃねえか」

「そうでございます」と、辰蔵はよんどころなしに笑った。「それじゃあ近所の子供が銀杏を取りに登ったかも知れません。随分いたずら者が多うございますからね」

「そうかも知れねえ」と、半七は笑った。「それから木の下にこんな物が落ちていたが……」

それは一枚の小さい鳥の羽であった。辰蔵は思わず覗き込んだ。

「鳥の羽ですね」

「どうも鷹の羽らしい。もし、おまえさん。これは鷹でしょうね」

眼の前に突きつけられて、鳥さしの老人はその薄黒い小さい羽をじっと視た。

「そうです。たしかに、鷹の羽でございます」

「そうすると鷹があの木の上に降りて来て……」と、半七は銀杏のこずえを指さした。「足の緒が枝にからんで飛べなくなったところを、誰かが登って行って捉えたと、まあ、こう判断するんですね。小枝は折れている。木の下に鷹の羽は落ちている。まあ、そう判断するのが無理のないところでしょうね」

云いながら辰蔵の顔をじろりと見かえると、彼は唖のように黙って立っていた。

「まったく鷹の羽に相違ありませんよ」