Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans
次郎兵衛も気分が悪いと云って宵から寝てしまった。夜なかに夫婦が交る交るに唸り出したので、家じゅうの者がおどろいて起きた。お藤の痛みは翌日幸いに薄らいだが、次郎兵衛はやはり気分が悪いと云って、飯も碌々に食わないで半日は寝たり起きたりしていたが、午すぎから寺まいりに出て行った。しかしその晩、迎い火を焚く時に、主人だけは門口へ顔を出さなかった。
十五の送り火を焚いてしまってから、次郎兵衛は女房と番頭とを奥の間へ呼んで、自分はもう隠居すると突然云い出した。女房は勿論おどろいたが、番頭の金兵衛もびっくりして、主人にその仔細を聞き糺したが、次郎兵衛はくわしい説明をあたえなかった。しかしそれが十三日の午すぎに寺まいりに行って、住職となにか相談の結果であるらしいことは想像された。主人が突然の隠居に対して、金兵衛はあくまでも反対であった。女房のお藤もやはり不同意で、たとい隠居するにしても、娘に相当の婿をとって初孫の顔でも見た上でなければならないと主張した。その押し問答のあいだに、次郎兵衛は単に隠居するばかりでなく、隠居と同時に出家する決心であることが判ったので、女房も番頭も又おどろいた。