Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans

Aozora Bunko

そして文字春の窓をたびたびのぞいていた娘と、東山堂へ筆を取り換えに来た娘と、その年頃から人相まで同一である以上、自分の判断のいよいよ誤らないことが確かめられた。半七は生簀の魚を監視しているような心持でその晩を明かした。

あくる朝になって、源次が来た。その報告によると、上州屋の奉公人は番頭小僧をあわせて男十一人、仲働きや飯炊きをあわせて女四人である。この十五人の身許を洗うにはなかなか骨が折れたが、馬道の庄太の手をかりて、まず一と通りは調べて来たと云った。男どもの方は後廻しにして、半七は先ず女の方のしらべを訊くと、仲働きはお清、三十八歳。お丸、十七歳。台所の下女はお軽、二十二歳。お鉄、二十歳というのであった。

「このお丸というのはどんな女だ」

「芝口の下駄屋の娘で、兄貴は家の職をしていて、弟は両国の生薬屋に奉公しているそうです」と、源次は説明した。

「よし、判った。すぐにその女を引き挙げなければならねえ」

「へえ、そのお丸というのがおかしいんですかえ」

「むむ、お丸の仕業に相違ねえ。弟が薬種屋に奉公しているというなら猶のことだ。よく考えてみろ。舐め筆の娘の死んだ日にお丸そっくりの女が筆を買いに来て、一ばかり経って又その筆を取り換えに来た。