Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
相長屋の人達があつまって通夜をして、翌日近所の寺へ葬ることになった。
その通夜の晩に、亀吉はおころの露路の近所をうろ付いていた。半七と松吉は荒物屋の店を足溜まりにして、かの空地のあたりを見張っていた。
夜も九ツ(午後十二時)を過ぎた頃であろう。昼からの風は宵に止んだが、夜ふけの寒さは身に泌みるので、半七と松吉は小さい火鉢に炭団を入れてもらって、荒物屋の店の隅にすくんでいると、縁の下には鳴き弱ったこおろぎの声が切れ切れにきこえた。やがて表の暗いなかで犬の吠える声がきこえた。つづいて二匹三匹の吠える声がきこえた。
「忌ですね。ゆうべも夜なかに犬が吠えました」と、店の女房がささやいた。
それを聞きながら、二人は立ち上がった。月のない夜ではあるが、星の光りはきらめいている。それをたよりに足音をぬすんで忍び出ると、犬の声は次第に近づいて、その犬の群れに追われながら、一つの黒い影が忍んで来るらしかった。注意して窺うと、犬の声はかの草原の方角にむかって行くのである。枯草を踏む犬の足音ががさがさと聞こえるので、人の足おとは確かに聞きわけかねたが、何者かが草原の奥へ忍んでゆくに相違ない。