Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
人は見掛けに因らないと云いますが、この米屋の奴らなぞは頗る上手にごまかしていたと見えます」
「金右衛門を斬ったのは、娘をかどわかす為ですか」
「こんな奴らですから、慾心も無論に手伝っていたでしょうが、これこそ本当のかたき討ちのつもりなんですよ」
「これもかたき討ちですか」と、私はすこし意外に感じた。
「まあ、かたき討ちですね。さっきもお話し申した通り、八年前に金右衛門は江戸見物に出て来たことがあります。そのころ茂兵衛は深川に住んでいて、やはり米屋をしていました。金右衛門は一人で出て来たので、馬喰町に宿を取らず、茂兵衛の家に小半月ほども泊まって、ゆっくり江戸見物をして帰りましたが、ここに一つの面倒がおこった。と云うのは、茂兵衛の女房のお稲と金右衛門とは従妹同士で、子供のときから仲がいい。今度も金右衛門が逗留している間、お稲が親切に世話をしてやった。それが亭主の茂兵衛の眼には怪しく見えたと云うわけで、金右衛門が帰国した後に夫婦喧嘩がおこりました。
従妹同士の金右衛門とお稲とのあいだに、本当に不義密通の事実があったのか、但しは茂兵衛ひとりの邪推か、そこははっきり判り兼ねますが、その以来、夫婦仲がとかくにまるく納まらないで、何かにつけて茂兵衛は女房につらく当たったそうです。