Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
まったく子供だましに相違ないのですが、なにしろ形が変っているのと、変な踊りを見せるのとで、子供たちのあいだには人気がありました。いや、その唐人飴のなかにもいろいろの奴がありまして……」
そら来たと、わたしは思わず居住いを直すと、老人はにやにやと笑い出した。
「うっかりと口をすべらせた以上、どうであなたの地獄耳が聞き逃す筈はありません。話しますよ。まあ、ゆっくりとお聴きください」
有名の和蘭医師高野長英が姓名を変じて青山百人町(現今の南町六丁目)にひそみ、捕吏にかこまれて自殺したのは、嘉永三年十月の晦日である。その翌年の四月、この「半七捕物帳」で云えば、かの『大森の鶏』の一件から三月の後、青山百人町を中心として、さらに新しい事件が出来した。
江戸の地図を見れば判るが、青山には久保町という町があった。明治以後は青山北町四丁目に編入されてしまったが、江戸時代には緑町、山尻町などに接続して、武家屋敷のあいだに町屋の一郭をなしていたのである。久保町には高徳寺という浄土宗の寺があって、そこには芝居や講談でおなじみの河内山宗春の墓がある。その高徳寺にならんで熊野権現の社があるので、それに通ずる横町を俗に御熊野横町と呼んでいた。