Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

「そこで、飴屋はどうした」

「飴屋は一日来ませんでした」と、亀吉は云った。「近所の者は、きょうに限ってあの飴屋の来ないのは不思議だ。今度こそはあの飴屋の腕だろうなぞと噂をしていますよ」

「きょうは来ねえか。二度あることは三度ある。今度はおれの番だと思ったわけでもあるめえが、なにしろ変な奴だな」と、半七も首をかしげていた。「それはまあそれとして、さしあたりは照之助の片を付けてしまおう。寺社の方へも断わって置いたから、もう遠慮はいらねえ。どこへでも踏ん込んで引き挙げるのだ」

そうなると、源次は下っ引で、蔭で働く人間であるから、表向きの捕物に顔は出せない。半七は亀吉だけを連れて行くことにして、その晩は別れた。夜半から雨がふり出した。

青山には庄太が出張っている。こちらからは半七と亀吉が出てゆく。三人がかりで立ち騒ぐほどの大捕物でもないと思ったが、それからそれへと糸を引いて、また何事が起こらないとも限らないので、ともかくも三人が手分けをして働くことになった。

明くれば四月十四日、ゆうべの雨も今朝はうららかに晴れたので、半七と亀吉は早朝から青山へ出向いた。ここらの青葉の色も日ましに濃くなって、けさも時鳥が幾たびか啼いて通った。