Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

「照之助は兄思いの人間で、それを知るとたいへんに口惜しがって、その意趣返しに角兵衛の腕を斬ってやろうと思い込んで、どこからか刀を買って来ました。自分は年が若い、相手は頑丈の大男ですから、善光寺の仁王さまを拝んで、十人力を授かるように祈って、角兵衛の出入りを付け狙っていると、そんな事とは夢にも知らずに、角兵衛は十二日の夜の五ツ頃(午後八時)に権田原の方へ出かけた。そこを待ち受けて斬り付けたんですが、人間の一心は恐ろしいもので、兄きと丁度同じように、角兵衛の片腕を斬り落としてしまいました。

角兵衛は倒れる。照之助は落ちている片腕を拾って逃げました。万事が兄きの通りにしなければ気が済まないので、照之助はかねて用意の唐人の筒袖……楽屋の衣裳の袖を切って来たんです。それを角兵衛の腕に着せて、例の羅生門横町へ捨てて置いて、これで先ず立派にかたき討ちを仕遂げたつもりで立ち去りました。

これは後に判ったことで、坂東小三もそんなことまでは知りません。自分の弟子の小三津を文字吉が隠したと思って、その掛け合いに行っているところへ、丁度わたくし達が行き合わせたんです。小三の話を聞いて、文字吉の正体も判りましたから、小三を連れて引っ返して、無理に文字吉の家へ踏み込むと、奥の四畳半に岩蔵が寝ていました」