Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 831 caractères · 396 écrans
六
「お話が長くなりました」と、半七老人は云った。「これで大抵はお判りでしょう」
「そうすると、江戸城の一件は菓子屋の息子たちの悪戯なんですか」と、私は笑いながら訊いた。
「そうです。悪戯というよりも、こんな悪い洒落をして喜んでいたのですね。さっきもちょっと申し上げました田舎源氏の一件というのは、堀田原の池田屋の主人が友達や芸者太鼓持を連れて、柳亭種彦の田舎源氏のこしらえで向島へ乗り出したのです。田舎源氏は大奥のことを書いたとかいうので、非常に事が面倒になって、作者の種彦は切腹したという噂もあるくらいです。それを平気で、みんな真似をしたのですから、無事に済む筈はありません。関係者二十六人はみんなお咎めに逢いました。それでも懲りないで、とかくに変った事をやって見たがる。江戸の人気がそんなふうになったのも、つまりは江戸のほろびる前兆かも知れません。増村の息子たちもやはりそのお仲間で、向島の大七という料理屋で飲んでいる時に、お城の玄関に立って天下を渡せと云う者があれば、五十両の褒美をやると冗談半分に云い出したのが始まりで、それを引き受けるという者があらわれたのです」