Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
こう考えて来ると喜平らは急に腹立たしくもなった。
「奴らはきっと泥つくだぜ」と、銀蔵は着物の泥をはたきながら云った。「さもなけりゃあ博奕打ちだ」
清水山が魔所と恐れられているのを幸いに、一団の賊がそこを隠れ家にしているのか。あるいは博奕打ちの仲間がそこに入り込んで、ひそかに賭場を開いているのか。二つに一つであろうと彼らが判断したのも無理はなかった。
「そう判ったら構うことはねえ。押し掛けて行ってやろうじゃねえか」と、喜平はなぐられた頬を撫でながらいきまいた。
「むむ、だが、向うが大勢だと剣呑だぜ」
銀蔵はまた二の足を踏んだ。かれらの仲間が二人いることは確かである。まだそのほかにも幾人かの仲間が潜んでいるかも知れない。そこへ自分たちふたりが空手でうかうかと踏み込むのは危険であるまいかと、かれは云った。それを聞いて、喜平もすこし不安になって来た。こうなると化け物よりも人間の方が却っておそろしくなる。泥坊にしろ、博奕打ちにしろ、相手が大勢で袋叩きにでもされるか、あるい後日の難儀を恐れて、その口をふさぐために息の根を止められるようなことが無いとも限らない。なぐられ損で忌々しいとは思いながらも、かれは銀蔵にうながされて、すごすごと此処を引き揚げることになった。