Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
「その蝋燭はどうした」
「女房がやかましいから一旦返してくれと宗兵衛が云うので、わたくしも厄介払いをしたような心持で、すぐに返してやりました。その時におかみさんは、まだ何本かの蝋燭を重そうに抱えているようでした」
「それからどうした」
「それから先のことはなんにも知りません。夫婦は無事に田町へ婦ったものだと思っていると、実に案外の始末でびっくりしました。たぶん帰り路で二度の喧嘩をはじめて、おかみさんは両国の仮橋から飛び込んだのだろうと思います。宗兵衛はどうしたのか、田町へ様子を見に行こうと思いながら、うっかり出て行って飛んだ係り合いになっても詰まらない。といって、知らん顔をしているのも義理が悪いようで、なんだか心持が好くないもんですから、昼間から湯にはいって一杯飲んで、二階で横になっていたところです」
気の弱い職人の申し立てはこれで終った。
五
「そうすると、その宗兵衛という男は、何処からか金の蝋燭を盗んでいたんですね」と、私は訊いた。
「そうです」と、半七老人はうなずいた。「しかし宗兵衛が増蔵に話して聞かせたのは出たらめで、上方の金持が泥坊よけに金の蝋燭をこしらえるの、大名が軍用金に貯えて置くのというのは、みんないい加減の誤魔化しである事が、あとですっかり判りました。