Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
わたしの考えじゃあ、久兵衛を殺して川へ飛び込んだのは、本人のお節じゃあねえ。泳ぎの上手な奴が替玉になって、水をくぐって逃げたのだろうと思いますね。みんなの眼にはお節と見えたかも知れねえが、暗い夜の事じゃああるし、お節の着物をそっくり着込んで、散らし髪を顔一面に打っかぶっていりゃあ、誰にもちょいと判りますめえ。殊にみんなが慌てている時だから、猶さら本物か贋物かの見分けが付かなかろうと思います」
「おめえもなかなか素人じゃあねえ」と、徳次は笑った。「実はおれも替玉と睨んでいたのだ。こうなると、お節は勿論だが、その親父の浪人者や、替玉の女や、品川から来たという奴や、大勢の奴らが徒党を組んで、鍋久の家を荒らそうと企んだに相違ねえ。この探索はよっぽど手を拡げなけりゃあならねえ事になった。半七、おめえも働いてくれ。おれ一人じゃあ手が廻らねえ」
四
「そうすると、わたしはこれからどっちへ廻りましょう」と、半七は訊いた。
「さしあたりは浅草のお節の実家だ。おやじの小左衛門という浪人者も唯の鼠じゃああるめえ。だが、そこへは俺が行く」と、徳次は云った。「おめえは品川へまわってくれ。