Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
七
「ずいぶん長くなりました。ここまでお話をすれば、もう大抵はおわかりでしょう」と、半七老人は云った。
「さあ……」と、わたしは考えながら云った。「そうすると、鍋久の主人を殺したのは、その花鳥という女ですか」
「そうです、そうです。花鳥がお節の替玉になって、久兵衛を殺したんですよ」
「その二人はどういう関係があるんですか」
「お節の親父の磯野小左衛門という奴は、前にもお話し申したとおり、旗本屋敷の渡り用人で……。しかし奉公中に悪いうわさが無かったと云うのは、徳次が探索の疎漏で、早く女房に死に別れたせいもありましょうが、年に似合わない道楽者で、方々の屋敷をしくじったのも皆それがためです。そこで、吉原へも遊びに行って、花鳥が大阪屋に勤めている頃の馴染であったんです。娘のお節は容貌も好し、見たところは如何にもしとやかな女ですが、どういうものか手癖が悪くって、肩揚げの取れない頃から万引きなどを働いていたんですが、見掛けがおとなしいから誰も気がつかない。おやじの小左衛門もそれを知っていながら叱ろうともしない。つまり親子揃って良くない奴らであったんです。その小左衛門があるとき途中で花鳥に出逢って、女は島破りの兇状持ちであることを承知の上で附き合っていたんですから、お互いに碌なことは考え出しません。