Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

あるが、その計略は成就しそうもなかったので、かれは更に他の口実をかまえて、喜平の仲間にはいることを避けたのであった。それにしても、万一かの喜平らのために怪しい女の正体を見あらわされはしまいかと、勝次郎は内心ひやひやしていたが、不思議なことには、かの探検がはじまってから、お勝という女はそこに姿をみせなくなった。勝次郎の家へも尋ねて来なくなった。

喜平らの探検を恐れて、かの女が姿をかくしてしまったのは、勝次郎にとっては勿怪の幸いというべきで、かれは先ずほっとした。近所の清元の師匠におみよという若い娘があるので、彼はこのごろ毎晩そこへ入り込んで、稽古をかこつけに騒ぎ散らして、つとめて清水山の女のことを忘れようとしていた。かれの申し立ては以上の事実にとどまって、何者が喜平らをなぐり倒したのか、どんな獣が喜平らをおびやかしたのか、そんなことは一切知らないと彼は云った。

その申し立てに、少しく疑わしい点がないでもなかったが、半七はその以上に彼を吟味しなかった。それでも念のためにまた訊いた。

「そのお勝とかいう女は、それっきりちっとも音沙汰がないんだな」

「その当時はなんどきまた押し掛けて来るかと、内々心配していましたが、もうひと月の余になりますけれども、それっきり影も形もみませんから、もう大丈夫だろうと安心しているので