Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
それがなかなかの早業で、見ている人たちも気が付かなかったと云いますから、女も唯者ではあるまいとみんなが噂をしていましたよ」
「そうですか。そんな女に出逢っちゃあ、大抵の男は敵いませんね」
松吉はわざとらしく顔をしかめて見せた。
「その騒ぎで、両替屋の前は黒山のような人立ちで……」と、女房は入れ代って話した。「その店でも後で気が付いたのですが、十日ほど前の夕がたに外国のドルを両替えに来た女がある。それがきょうの女らしくも思われるが、前に来たときは夕方で薄暗かったので、その顔をはっきりと見覚えていないと云うのです」
半七と松吉は顔をみあわせた。二人の眼は光っていた。
四
丸子の店を出て、半七は松吉に別れた。
「じゃあ頼むよ」と、半七は小声で云った。「おめえはこれから坂井屋へ行って、お糸という女のことを調べてくれ。それから伊之助という建具屋のことも宜しく頼むぜ。おれは芝の両替屋へ行って、その女の詮議をしなけりゃあならねえ。外国のドルを持っているというのが気になるからな」
鮫洲方面探索を松吉にあずけて、半七は品川から芝の方角へ真っ直ぐに引っ返した。田町の三島という両替屋へ行って訊きただすと、事件は聞いた通りであった。