Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばんしゅう

晩秋

山本 周五郎

Lisez 晩秋 (ばんしゅう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 792 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

――同じ道だったのだ、父上が死んだのもこの方の生きたのも、結局は奉公という同じ道だったのだ。

都留はしずかに近寄っていった。

「わたくしお繕い致しましょう」

「うん」主計は糸をひき緊めながら眼をあげた、「……もう済んだ」

実際もう穴はかがり終っていた。主計はそれを穿き、鋏や糸屑や針を、手作りらしい小箱に納った、都留は「お片付け申しましょう」といって、その箱のほうへ手を差出した、主計は渡そうとしながら、ふと思いついたように都留の片手を握った。思いがけなかったし、突然のことでびっくりしたが、でも都留はその手を引こうとはしなかった。主計はすぐに放した。

「おんなの手というものは、温かいものだとばかり思っていたが、案外つめたいのだな」

「つめとうございましょうか」

「ただつめたいのではないのだろうが、もっと温かいものだと思っていた、それとも人に依っても違うのか」

「おんなはからだのつめたいものだと俗に申すようでございますけれど」

ついそう云ってしまってから、自分の言葉のぶしつけさに都留は赤くなり、急いで小箱を片付けに立った。主計は庭のほうへ向き直り、暖かい朝の日ざしを浴びながら、黙って櫟の林を見まもっていた。