Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きょくていばきん
曲亭馬琴
邦枝 完二
Lisez 曲亭馬琴 (きょくていばきん) de 邦枝 完二 (くにえだかんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 788 caractères · 24 écrans
京伝が十四、京山は七つだった。父の伝左衛門は、家主になった最初の新年とて、町内を回礼せねばならなかったが、従者を雇う銭がなく、それが為めに京伝は挟箱を肩にして父の後に従い、弟はまたその後について、白扇を年玉に配って歩いた。
「兄ちゃん。おいらアお腹が痛いから、もういやだ」
十軒ばかり歩いた頃、こういって京伝を顧みた京山の眼には、涙さえ浮んでいた。
「辛抱しな。もうあと半分だ。その換り家へ帰ったら、おいらがおっかあに凧を買って貰って、揚げてやる」
「凧なんか見たかねえから、早く帰りてえ」
「おめえがいまやめると、お父っあんが困る。いい子だから、もう少し配ってくんな」
それでもなんでも、腹が痛いといい出して京山は、何んとなだめすかしても承知する様子がなくそのうち次第に顔色が蒼ざめた京山は、もはや口を听く元気もなくなって、遂に道端の天水桶の下へ屈んでしまったのだった。
回礼は中途で止めにして、京山はそのまま家に連れ戻された。
火鉢の抽斗の竹の皮から、母の手でまっ黒な「熊の胃」が取出されると、耳掻の先程、いやがる京山の口中へ投げ込まれた。京山は顔を紙屑のようにして、水と一緒に咽の奥へ飲み下した。