Classiques japonais avec furigana
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きのこせっぽう
木の子説法
泉 鏡花
Lisez 木の子説法 (きのこせっぽう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 107 caractères · 34 écrans
茸は立衆、いずれも、見徳、嘯吹、上髭、思い思いの面を被り、括袴、脚絆、腰帯、水衣に包まれ、揃って、笠を被る。塗笠、檜笠、竹子笠、菅の笠。松茸、椎茸、とび茸、おぼろ編笠、名の知れぬ、菌ども。笠の形を、見物は、心のままに擬らえ候え。
「――あれあれ、」
女山伏の、優しい声して、
「思いなしか、茸の軸に、目、鼻、手、足のようなものが見ゆる。」
と言う。詞につれて、如法の茸どもの、目を剥き、舌を吐いて嘲けるのが、憎く毒々しいまで、山伏は凛とした中にもかよわく見えた。
いくち、しめじ、合羽、坊主、熊茸、猪茸、虚無僧茸、のんべろ茸、生える、殖える。蒸上り、抽出る。……地蔵が化けて月のむら雨に托鉢をめさるるごとく、影朧に、のほのほと並んだ時は、陰気が、緋の毛氈の座を圧して、金銀のひらめく扇子の、秋草の、露も砂子も暗かった。
女性の山伏は、いやが上に美しい。
ああ、窓に稲妻がさす。胸がとどろく。
たちまち、この時、鬼頭巾に武悪の面して、極めて毒悪にして、邪相なる大茸が、傘を半開きに翳し、みしと面をかくして顕われた。しばらくして、この傘を大開きに開く、鼻を嘯き、息吹きを放ち、毒を嘯いて、「取て噛もう、取て噛もう。