Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みらいのてんさい
未来の天才
豊島 与志雄
Lisez 未来の天才 (みらいのてんさい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 630 caractères · 38 écrans
指輪や大島は、伯父から送ってきた金の残りで、別に使い途がなかったから買ったのであって、感謝のしるしまでに前以て差上げたのだと云った。現にまだ百二十円ばかり余分のものが残ってると、余計なことまで口走ってしまった。私はよほどどうかしてたに違いなかった。
老人は許すとも許さないとも云わなかった。所が急にこんなことを云い出した。
「私の肖像も一つ描いてお貰いしたいんですが、如何でしょうな。お礼と云っては別に出来ませんが、その代りに碁でも教えてあげることにしては……。」
そして彼は声高く笑い出した。私はそれが冗談だか本当だか分りかねて、半白の長い髯が笑いに揺ぐのを、ぼんやり眺めていた。すると、私にもその笑いが感染してきた。何とも答えをしないうちに、私は高く笑ってしまった。笑ってからはっとした。私は真赤になって顔を伏せた。じっとして居られなかった。そしてすぐに辞し去った。老人は別に引留めようともしなかった。静子は姿を見せなかった。
表に飛び出すと、背中と額とに冷たい汗が流れていた。何だか馬鹿にされたようで口惜しくて仕方がなかった。何かに力一杯にぶつかってゆきたくなった。