Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅにっき

朱日記

泉 鏡花

Lisez 朱日記 (しゅにっき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 583 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

顔も真赤に一面の火になったが、遥かに小さく、ちらちらと、ただやっぱり物見の松の梢の処に、丁子頭が揺れるように見て、気が静ると、坊主も猿も影も無い。赤い旗も、花火が落ちる状になくなったんだ。

小児が転んで泣くようだ、他愛がないじゃないか。さてそうなってから、急に我ながら、世にも怯えた声を出して、

(わっ。)と云ってな、三反ばかり山路の方へ宙を飛んで遁出したと思え。

はじめて夢が覚めた気になって、寒いぞ、今度は。がちがち震えながら、傍目も触らず、坊主が立ったと思う処は爪立足をして、それから、お前、前の峰を引掻くように駆上って、……ましぐらにまた摺落ちて、見霽しへ出ると、どうだ。夜が明けたように広々として、崖のはずれから高い処を、乗出して、城下を一人で、月の客と澄まして視めている物見の松の、ちょうど、赤い旗が飛移った、と、今見る処に、五日頃の月が出て蒼白い中に、松の樹はお前、大蟹が海松房を引被いて山へ這出た形に、しっとりと濡れて薄靄が絡っている。遥かに下だが、私の町内と思うあたりを……場末で遅廻りの豆腐屋の声が、幽に聞えようというのじゃないか。

話にならん。