Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ますおとし

枡落し

山本 周五郎

Lisez 枡落し (ますおとし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 765 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

組かある、つまるところ、人間それぞれの性分じゃあねえかな、どっちにしろ、おまえさんのせいでねえことは慥かだよ」

「有難うございます」とおみきは頭をさげた、「そう云って下さると気が楽になります」

おうめが茶を淹れて来、喜六はそれをひとくち啜ると、自分が云い過ぎたことを恥じるように、用があったらいつでもいって来てくれ、と云いながら去っていった。

「人間はさまざまだって」とおみきは茶を啜りながら、ぼんやりと呟いた、「――そうかもしれない、そうではないかもしれない」

「なあにおっ母さん」とおうめが云った、「なにがそうではないっていうの」

「なんでもないのよ」おみきはちょっと髪を撫で、そして娘の顔を見た、「――いつかきいてみたいと思ったんだけれど、あんた芳っさんが好き、それとも嫌い」

おうめは答えずに、茶道具を片づけた。その動作のあいだに、「好きよ」と恥ずかしそうに囁いた。おみきは呼びかけようとして急にやめた。おうめも父のためにどんなに苦労をしてきたか、忘れてはいない筈であるし、人間の性分はさまざま、どんな注意や意見をしてみたところで、実際の役にたつことはないだろう。