Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ますおとし
枡落し
山本 周五郎
Lisez 枡落し (ますおとし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 765 caractères · 67 écrans
八
わからない、なにもかもわからない。おみきは眼をつむった。いちばん大事なのは、おうめと芳造の生活をそっとしておくことだ、あたしなんかどうなってもいい、殺されたっていいけれど、あの二人の仕合せだけは守らなければならない。それにはどうしたらいいか、どうしたらそうできるだろうか。
「あたしにはわからない」とおみきは呟いた、「――おおやさんに相談してみようかしらん、なわやの喜六さんは事情を知っているのだから、そうよ、おおやさんなら、なにかいい知恵があるかもしれないわ、そのほかにどうしようもないわ」
おみきは立ちあがった。ながいことしゃがんでいたので、ちょっとよろめき、両方の膝がしらをゆっくりと揉んだ。
八
「そうですか、そんなことがあったんですか」と芳造は頷き、それから眼をあげた、「そして、それはいつのことですか」
「おとついのことだったそうだ」となわや喜六が答えた、「ここへ相談に来たのは昨日の夕方だったがね」
芳造は自分の足許をみつめ、暫く黙っていてから、親方はどう思うか、と反問した。
「わからねえな」と喜六は首を振った、「わからねえ、千太郎という人間のことは、御徒町の吉兵衛から詳しく聞いているが、もし無実だとして帰って来るとすると、また面倒なことが起こるんじゃないかとね」