Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かきいろのかみふうせん

柿色の紙風船

海野 十三

Lisez 柿色の紙風船 (かきいろのかみふうせん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 032 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

――私は臆面もなく、店先へ腰を下した。

「いらっしゃいまし。何、あげます?」

と小僧さんが尋ねた。

「ああ、紙風船が欲しいのですがネ、すこし注文があるので、一ついろいろ見せて下さい」

「よろしゅうございます。――紙風船といいますと、こんなところで……」

と小僧さんは指さした。なんのことだ、私の坐った膝の前、あの懐しい紙風船が山と積まれているのだ。

(おお。――)

私の胸は早鐘のように鳴りだした。風船を両手でかき集め、しっかり圧えたい衝動に駆られた。だが私も、刑務所生活をして、いやにキョトキョトして来たものである。

「そうですネ。――」

と私は無理に気を落ち着けて、風船の山を上から下へと調べていった。

(柿色の風船は?)

無い、無い。無いことはないのだが……。およそ私の居た刑務所の紙風船は、一つのこらずこの丸福商店に買われることになっているのだ。それは刑務所で入札の結果、本年も紙風船は丸福に落ちていたのだった。だから柿色の紙風船は、この店にあるより外に、行く先がなかった。売れたのかしら?

「……もう風船はないのですか」

「唯今、これだけで……」

「そうですか。どこかにしまってあるんじゃないですか」