Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

Lisez 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 815 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

「悠ちゃんのあんちゃん、また来てね」

悠二郎は黙ってさっさっと歩きだした。

そのときは虚木老がうまいぐあいにごまかした。聖堂を出るとき石段で転んで、眼のまわりをそんなにし、また枸橘の垣根で頬をひっ掻いたといった。信用したかどうか、父は黙っていたし、母もなんにも云わずに薬をつけて呉れた。

それから月にいちど舟仙へ出かけた。また三社祭りとか両国の花火とか、四万六千日とか草市などの、なつかしい行事のあるときには、定った日のほかにも伴れて出て呉れた。

若君と話をするようになったのは、その年の初秋のころだった。それまで若君は新泉にばかりくっついていて、彼などには眼もくれなかった。こっちはそのほうが有難い、暇さえあれば勝手にとびまわって、そのじぶんはもう広い上屋敷の隅から隅まで知っていた。――七月はじめから小太郎が出て来なくなった。病気だということで、若君のひどく淋しそうなようすが眼についた。悠二郎はそのとき初めて声をかけた。そうして若君の気をまぎらせてやろうと思って、耳へ口を押しつけて囁いた。

「魚をしゃくいにゆきましょうか」

若君はけげんそうな眼をしてこっちを見た。