Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

Lisez 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 815 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

「鮒だの蝦だの獲れるんですよ、面白いぜ」

ほかのやつらには内証だからと云って、しめし合せて、例の屋敷境の谷へ下りていった。若君は笠木塀を乗り越えるとき泣きそうになり、台地を跳び下りるとき膝を擦剥いた。動作がのろくさして不器用で、つい舌打ちをしたくなった。

「もっとてっとり早くしなくちゃだめですよ、擦剥いたとこなんかうっちゃっときなさい、番人にみつかるとたいへんなんだから」

最後の菜園の、石垣を跳び下りると、その石垣のひとところ崩れた穴から目笊を取り出した。

――若君は不安そうにまわりを眺めまわしていた。うす暗くてじめじめした、狭い谷底のような景色にびっくりし、また不安で気持がおちつかないらしい。悠二郎はさあこっちですよと云って、蘆を掻きわけて流れのところへいった。幅三尺ばかりの、ほんの浅い泥溝川であるが、溜池に続いているので、そっちから小さな魚や川蝦がのぼって来るのである。悠二郎は慣れたようすで袴の股立をとり、はだしになって流れの中へはいると、たちまち小鮒を一尾すくいあげて来た。

「ほらね、獲れたでしょ、こいつはきんこってんだぜ、金色に光ってるだろ、金鮒ともいうけど、小梅のやつらはきんこってえんだ」