Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんおけのはなよめ

棺桶の花嫁

海野 十三

Lisez 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 845 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

彼は検査所の電話機が故障である話を聞いても、まだ目下の重大なる事態をハッキリ認識する力がなかった。かならず東京へ電話が通ずるつもりの彼は、万国橋を渡ったところに自働電話函が立っているのを見つけて、そのなかに飛びこんだ。だが受話器をとりあげて、交換手をいくら呼び出してみても、ウンともスンとも云わなかった。

「これは困った。電話が通じない。電話局は電源を切られたのにちがいない」

彼は仕方なく駅の方へ行ってみることにした。

万国橋通を本町の方へ、何気なくスタスタ歩きだした彼はものの十歩も歩かないうちに、ハッと顔色をかえた。ああなんという無残な光景が、前面に展開されていたことだろう。

まず、目についたのは、恐ろしいアスファルト路面の亀裂だ。落ちこめば、まず腰のあたりまで嵌ってしまうであろう。

その凄じい亀裂の上に、電線が反吐をはいたように入り乱れて地面を匍っていて、足の踏みこみようもない。ただ電柱が酔払いのように、あっちでもこっちでも寝ている。

もっと恐ろしいものが目にうつった。すぐ傍の二階家が、往来の方に向ってお辞儀をしていた。大きな屋根が地面に衝突して、ところどころ屋根瓦が禿たように剥がれている。