Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんおけのはなよめ

棺桶の花嫁

海野 十三

Lisez 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 845 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

全身泥まみれとなり、反面にひどい火傷を負った男がフラフラと歩いていた。これに聞くと、緑町界隈の人間はみな被服廠で死に、生命をたすかったのは自分をはじめ、せいぜい十名たらずであろう――などといった。

被服廠の惨状は、とうてい筆にするに忍びない。――お千は、オイオイ声をあげて泣いた。やがて声だけはたてなくなったが、彼女ははふり落ちる涙を、何時までたってもとどめ得なかった。

「ああ、みんな死んじゃった。――あたし一人、後に残されたんだ。おお、これからどうしたらいいだろう」

両国橋の袂までくるとお千は、そういってまた声をあげて泣きだした。そして緑町の方を向いて合掌し、くどくどとお念仏を誦した。

こうして、杜とお千との寄り合い世帯が始まった。二十五の若い男と、三十二の大年増の取組は、内容に於て甚だ錯倒的であったけれど、外観に於て、さほど目立たなかった。

二人は、いろいろなところに泊った。

興奮と猟奇にみちた新しい生活がつづいた。二人は夫婦気取りで、同じ部屋に泊ったが、それは便宜のためであって、二人の身体の関係は、長く純潔に保たれていた。

毎日毎日、宿泊所の朝が来ると、二人は連れだってそこを出た。