Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
Lisez 植物知識 (しょくぶつちしき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 784 caractères · 86 écrans
すなわちこれは果実の常態ではなくまったく一の変態で、つまり一の不具である。すなわちこれが不具であってくれたばっかりに、吾人はこの珍果を口にする幸運に遭っているのである。要するに、われらはバナナの中果皮、内果皮なる皮を食って喜んでいるわけだ。
わが邦にあるバショウにも花が咲いて果実を結ぶけれど、食うようなものはけっしてできない。このバショウの名は芭蕉から来たものだけれど、元来芭蕉はバナナ類の名だから、右のように日本のバショウの名として用いることは反則である。昔の日本の学者は芭蕉の本物を知らなかったので、そこでこの芭蕉の字を濫用し、それが元でバショウの名がつけられ今日に及んでいるのである。いまさら改めようもないから、まずそのままにしておくよりほか仕方がない。そしてこのバショウは、元来日本のものではなく昔中国から渡って来た外来植物なのである。
中国名の芭蕉は一に甘蕉ともいい、実はバナナ、すなわちその果実の味の甘いバナナ類を総称した名である。ゆえにバナナを芭蕉といい、甘蕉といってもよいわけだ。
数年前には台湾より多量のバナナが日本の内地に輸入せられ、大きな籠に入れたまま、それが神戸港などに陸上げせられた時はまだ緑色であった。