Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 078 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

この事実から眼をそらすな、これが現にある事実だ。しかも、おれはその金を受取った。いや受取ったのだ、紙に包んで袂へ入れられたとき、叩き返すこともできたのに、そうしようとさえしなかったのだ。

――一ノ関が最後だ。

伊達兵部へいって、只野内膳か、うまくいったら新妻隼人をつかまえ、少なくとも百金はめしあげてやろう。これが最後だ、と六郎兵衛は自分に云った。歩いてゆきながら袂の中で紙包みをひらき、数えてみると、小粒が二つに銭が幾枚かあった。

「二分とちょっとか」と彼は呟いた、「するとみんな合わせて二両足らずだな、――まえには金とは思わなかったが」

突然、なにかに躓いて転びそうになり、六郎兵衛は苦痛の呻き声をもらした。爪先をなにかに突っかけたらしい。よろめいただけで転びはしなかったし、爪も無事ではあったけれど、骨までひびく痛さに、暫くは指が痺れたままであった。往来のことだから人が見ていたであろう。子供たちの笑う声が聞え、ついでうしろから、「馬だよ馬だよ」とどなられた。六郎兵衛が身をよけると、すぐ側を馬が通りすぎ、馬のからだの匂いが強く、まるで顔を撫で去るようにはっきりと感じられた。