Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 078 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

「人心惟危、道心惟微、惟精惟一、誠厥執レ中。又云、殺すべくして、恥しめべからず。又云、内に省みてやましからず、是予が志也。食を断ちて三十三日にこれを書す也。罪人重孝」

堀内惣左衛門が、朝粥の客のすっかり帰ったことを知らせに来たとき、甲斐は庭のほうを眺めていて、

「雨になりそうだな」と呟いた。

惣左衛門はようすをみに来たのであった。七十郎が死罪になったことを、辻村平六から聞いていたので、甲斐がどんなにまいっているか、およそ推察することができた。――七十郎が絶交の宣言をしてからも、甲斐の七十郎に対する好意は少しも変っていなかった。去年からの「席次の争い」の経過を、遠くからじっとみつめているようすにも、ときとして、あまりに心痛の色があらわにみえるので、そばにいる者のほうが、眼をそらさずにはいられないくらいであった。

――どんなにまいっていることだろう。

そう思い、時を計ってようすを見に来たのであるが、庭を眺めている甲斐の顔は静かで、やや尻下がりの、眩しそうに細められた眼にも、つねと変りのない、穏やかな色しか見られなかった。

甲斐を圧倒していた感情が、少しずつ変っていたのである。