Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

――ずっとまえからよ。

と新八に云ったことがある。

――でも兄はだめなの。ずいぶん辛抱づよく云いよるんだけれど、てんで見向きもしないのよ、見ていて可哀そうなくらいだわ。

いまもくどくど頼んでいるのは、なにか酒の肴を持って来て、酌をさせてもらいたい、とせがんでいるようであった。だがまもなく、六郎兵衛が「みや」と尖った声で呼び、云いさとされたのだろう、お久米はそっと帰っていった。こちらにいる新八にも、お久米の落胆していることがわかるような、よわよわしく哀しげな挨拶ぶりであった。

「ああ、今日お客さまがみえましたよ」

給仕をしながらおみやの云うのが聞えた。

「野口、いいえ、あらいやだ、なんていったかしら、野口じゃなかったわね」

「もの覚えの悪いやつだ」

「さっきまでちゃんと覚えていたのよ」

新八がこちらで咳をし、そして云った、「野中又五郎といっておられましたね」

「あら、そうかしら」

「野中又五郎といっておられましたよ」

「わかった」と六郎兵衛が云った、「野中ならわかっている、飯にしてくれ」

「あら、もういいんですか」

「飯にしよう」と六郎兵衛は云った、「すぐでかけなければならない」