Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

「お待ち下さい、お上が会うと仰せられています、柿崎どの」

「いやだ」と六郎兵衛は歩きながら云った、「私は駆引きは嫌いだ」

「私どものおちどです、主人は知らぬことですから、どうぞ、どうぞしばらく」

六郎兵衛は立停った、「貴方がたのおちどか」

「役目上やむを得なかったのです、どうぞ御了解のうえお戻り下さい」

「手数をかける人たちだな」

六郎兵衛は冷笑し、そして頷いた。

「どうぞこちらへ」

内膳が接待の間まで伴れ戻した。そこでまたひともめあった。刀をそこで預かるという、六郎兵衛は拒絶した。刀を預かるというのは、さして不当な要求ではない。一万石あまりの小大名にしろ、その前へ出るには作法がある。脇差はともかく、刀は置いて出るのが礼儀だった。しかし六郎兵衛は拒絶した。自分は誰の扶持もうけていない浪人者である。兵部どのには警告をしに来たのだから、対等でなくては会わない、と云った。

そこにはすでに新妻隼人はいなかった。内膳は困って、いちど奥へ相談にゆき、戻って来て「ではそのまま」と承知した。

とおされたのは小書院であった。こんどは待たせなかった。六郎兵衛のそばには内膳がひかえ、兵部は小姓一人をつれて上段へ出て来た。