Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

さすがの大学も、伊達安芸に盾をつく勇気はないらしく、同じいきまくにしても、ふだんよりずっと毒が少なかった。

甲斐が酔いつぶれると、周防は自分で立ち、若侍三人をよんで、寝所へ伴れてゆかせた。伴れてゆくというより、殆んどかついでいったというくらいの、酔いぶりであった。

そして夜明け前、寝所へはいって来る人のけはいで、甲斐が頭をあげて見ると、茂庭周防であった。

「まいろう――」と周防が云った。

甲斐は起きあがった。袴はぬいでいるが、着たままである、周防も常着の着ながしであった。

「四時ちょっと前だ」と周防が云った。

廊下へ出てゆきながら、甲斐が囁いた、「供のなかに内通者がいる、こういうことはよくない」

「やむを得なかったのだ」

「盃を使うなどは乱暴すぎる」と甲斐は云った、「私はこういうやりかたは好まない、筆の軸もそうだが、盃へ紅で書いて知らせるなどということは、危険をもてあそぶようなものだ」

「それがやむを得ないということは、わかっている筈だ」と周防が云った、「隠れた伝言や人使いなどでは、却ってかれらに嗅ぎつけられてしまう、人の面前でやるほうが、かれらの眼を眩ます、もっとも安全な手段なのだ」