Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

「別宴のとき、――なんですかそれは」

「云わぬほうがよかろう」と甲斐は微笑した。

柴田外記はにがい顔をした。金山の帰属をどうすべきかについて、いま片倉と志摩とが重要な話しをしているのに、甲斐は益もないことを云い始め、どうやら話題をそらそうとするらしい。たしかに、その話しを避けようとするようすなので、外記はあからさまに、ふきげんな顔をした。また、当の七十郎も十左も、甲斐の口ぶりで、甲斐が話しを変えたがっている、ということを察した。

「云ってもらいましょう」と七十郎は甲斐を見た、「私が茂庭家でどうしました」

「七十郎が、涌谷さまに会うのだ、と云いはりましてね」と甲斐は鳥羽に云った、「彼は招かれてはいないんです、松山(茂庭周防)は御承知のとおりの気性だし、涌谷さまは規矩を紊さない方ですからね」

「それはいつの事ですの」と鳥羽が訊いた。

そう訊きながら、彼女は情をこめた眼つきで、甲斐をじっと見た。

「涌谷さまが帰国されるので、松山の家で別宴が設けられたときです」

「それでどうなりまして」

「私はとめたのですがね、七十郎はしゃれたことを云いました、じいさん、というのは涌谷さまのことですが、じいさんは格式や儀礼にはやかましいが、懐柔するぶんにはたやすい人です、というわけです」