Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はし
橋
池谷 信三郎
Lisez 橋 (はし) de 池谷 信三郎 (いけたにしんざぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 108 caractères · 37 écrans
独身者が外套のハネを落す刷毛を買っていた。ラジオがこの人混みの中で、静かな小夜曲を奏していた。若い女中が奥さんの眼をかすめて、そっと高砂の式台の定価札をひっくり返してみた。屋上庭園では失恋者が猿にからかっていた。喫煙室では地所の売買が行われていた。待ち呆けを喰わされた男が、時計売場の前で、しきりと時間を気にしていたが、気の毒なことに、そこに飾られた無数の時計は、世界じゅうのあらゆる都市の時間を示していた。…………
三階の洋服売場の前へひょっこりと彼が現れた。
――モーニングが欲しいんだが。
――はあ、お誂えで?
――今晩ぜひ要るのだが。
――それは、……
困った、といった顔つきで店員が彼の身長をメートル法に換算した。彼は背伸びをしたら、紐育の自由の女神が見えはすまいかというような感じだった。しばらく考えていた店員は、何か気がついたらしく、そうそう、と昔なら膝を打って、一着のモーニングをとりだしてきた。じつはこれはこの間やりました世界風俗展で、巴里の人形が着ていたのですが、と言った。
すっかり着こむと、彼は見違えるほどシャンとして、気持が、その粗い縞のズボンのように明るくなってしまった。