Classiques japonais avec furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 247 361 caractères · 483 écrans
た。
夫人が寝室へ退いたのは、かれこれ、一時二時頃でもあったろうか? ドラーゲ公爵未亡人は、取り外す時に、その感触の違いで気が付いたのであるが、ビョルゲ夫人もまた、外す時に気が付いている。腕環……それから頸飾り……外そうとして、何気なく手をやって、いつもとはまったく手触りの違うのに、おや! と気が付いた。
同じような重さのものを、頸にかけ腕に嵌めていたばっかりに、手を触れてみるまでは何の違いも感じなかったのであったが、今取り外してみると、外観こそ精巧に見ゆれ、台は白金でもなんと! 似ても似つかぬ硝子を鏤めた粗製極まる模造品であった。夫人は掌に載せて眺めていた。あまりの驚きに、叫びを挙げることすら、忘れていたのであった。
ドラーゲ公爵家の頸飾りのように、昔から伝わる品ではなかったから別段特別の名称もなかったが、それでも一代の大富豪が、金に飽かせて贅を凝らした大粒のダイヤであったから、これもまた両方合わせれば、おそらく四千万、五千万クローネ……あるいはそれ以上の値打ちのものであったかも知れぬ。
しかも、驚いたのは、そればかりではない。もっともっと肝を冷させられたのは、その晩どうも頭の芯に、軽い疼痛が起ってならぬ。