Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lisez 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 247 361 caractères · 483 écrans

Aozora Bunko

四

四

もちろんその翌る日は、約束どおり何を措いてもまず太子を訪ねることにした。こんなことを言ったら人は私を変態性慾だと思うかも知れないが、昨夜太子とタクシーで別れて以来私には太子の美貌が、妙に眼先に散ら付いて忘れかねたのであった。中学時代に私の棒組に野球に凝って落第ばかりしているニキビ野郎があって、無闇に下級生の「ヨカ稚児」ばかり追っ駆け廻していた。そのうちにあんまり落第ばかり続けて到頭しまいには自分の稚児サンと同級生になってしまって、数学を稚児サンに教わっていた莫迦野郎があったが、その時分から汁粉屋の女中の手引で女の味を知っていた私は莫迦莫迦しくて男のくせに男を追っ駆け廻すなんて汚ねえじゃねえかとどうしてもその気になれずに到頭その方の経験だけは解せずじまいであった。

もうそろそろその時分の棒組たちが神妙なオヤジに納まり返って、稚児サン騒ぎなぞ気にも出さなくなった今に至って私一人は俄然として稚児サンのよさに覚醒め、どうやら朝起きても私の眼前には昨日以来の太子の、女にも見まほしき美貌が散ら付いてきてしかたがないのであった。

この気持がいわゆる男色というのだろうと考えたが、いい年をしてチゴの心境を解した時には事もあろうに、相手は印度人でおまけに一国の太子殿下ときては、なんという我ながら大した心臓野郎かと苦笑せ