Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

「悪い約束なんかしません。」

「じゃあ、かくさないで言ったらいいだろう。」

次郎はやはり答えなかった。

曾根少佐は、しばらく次郎の顔を見つめたあと、西山教頭と顔を見合わせ、何かうなずきあった。すると西山教頭は、その三角形のまぶたの奥に、いかにも沈痛らしく眼を光らせ、一わたりみんなを見まわした。それから右手をラッパのようにして口にあて、いくらか眼をおとして「えへん」と大きな咳をした。そして何か秘密なことでも打明けるように、声をひそめて話し出した。

「実は、曾根先生が配属将校としてのお立場から、今度の君らの行動について、いろいろとご心配下すっていたので、きょうはさっきから、私と二人きりで、とくとご相談をしてみたわけだが、だんだん先生のお話を承っていると、君らのこれからの行動次第では、容易ならん結果になりはしないかと心配される。それで、これは少佐のお立場上ごむりかとは思ったが、私たち二人が、一先ず学校という立場をはなれ、全くの個人として、君らと肚をわって話合ってみたい、そういうことに私からお願いして、実は校長先生にもご相談しないでこの席にやって来たわけだ。