Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

「お前たちのことで呼び出されたのさ。」

「僕たちのことで? 県庁に?」

次郎だけでなく、新賀も梅本も眼を見はった。

「きょうはお前のおかげで、私も重要な父兄の一人になったよ。呼び出されたのは二十名ばかりだったがね。」

俊亮は笑いながら、県庁での「懇談」の様子をかくさず話してきかした。ただ、血書撤回のことで課長との間にとりかわした問答については、あまりくわしいことは言わなかった。

「県庁の方では、私からお前によく話して、血書を撤回させるようにしてもらいたい、と言っていたんだが、それはもうお前ひとりの自由にはなるまいし、第一、撤回するのがいいことか、わるいことか、私には見当がつかなかったので、いい加減に答えて置いたよ。」

そう言ったきりだった。

話をきいていて、新賀と梅本とがすぐ心配になり出したのは次郎のこれからの立場だった。二人は俊亮のような父を持っている次郎の幸福を内心うらやみながらも、次郎が血書を書いた本人だということを、そんな席上で平気で発表してしまった俊亮に対して、何か不平らしいものを感じないではいられなかったのである。次郎は二人とはまるでちがったことを考えていた。