Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

「泰山鳴動して鼠一疋も出なかったね。」――ある日、彼は俊三にそんなふうにひやかされた。

「仕方がないよ。」

「ずいぶん評判がわるいね。」

「僕がかい。」

「そうさ、いろんなこと言っているぜ。」

「ふん……」

「知ってる?」

「知ってるさ。」

「何でも?」

「知ってるよ、何でも。」

「だって恋人があるってことまで言っているんだぜ。多分道江さんのことだろうと思うんだが。」

「ふん……」

次郎は顔を赤くしながらも、軽蔑するように言った。

「それも知っていたんかい。」

「知っていたよ。」

「知っていて、よくがまんしてるね。」

「言わしとくさ。面倒くさいよ。」

「だって、そんなこと、だまっていていいんかなあ。」

「わるくたって、仕方がないさ。どうせ馬田なんかが言いふらしたんだろう。僕は当分あいつらを相手にせんよ。」

「相手にしてはわるいんかい。」

「僕には考えがあるんだ。」

次郎は面倒くさそうだった。

「どんな考えだい。」

「うるさいね。今にわかるよ。」

俊三はぬすむように次郎の顔を見て、にやりと笑った。そしてすぐ蚊帳にもぐりこんだが、枕に頭をつけながら、彼は小声で口ずさんだ。

「英雄の心緒みだれて麻の如しイ。