Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 443 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

かれは、帽子をとっただけで、べつに頭もさげず、ジャンパー姿の次郎をじろじろ見ながら、いかにも横柄な口調でたずねた。

「今日は新しく塾生がはいる日ですね。」

「そうです。」

「式は何時からです。」

「もうあと三十分ほどではじまることになっています。」

「荒田さんがそれを見学したいといって、今日はわざわざお出でになっていますが、そう取次いでくだい。」

「荒田さんとおっしゃいますと?」

「荒田直人さんです。田沼理事長にそうおつたえすればわかります。」

「田沼先生はまだお見えになっておりませんが……」

「まだ?」

「ええ、しかし、もうすぐお見えだと思います。」

「塾長は?」

「おられます。」

「じゃあ、塾長でもいいから、そう取り次いでくれたまえ。」

次郎は、相手の言葉つきが次第にあらっぽくなるのに気がついた。しかし、もうそんなことに、むかっ腹をたてるようなかれではなかった。かれは物やわらかに、

「じゃあ、ちょっとお待ちください。」

と言って、玄関のつきあたりの塾長室に行った。そして、すぐ朝倉先生といっしょに引きかえして来て、二人分のスリッパをそろえた。

朝倉先生は、いつもの澄んだ眼に微笑をうかべながら、背広服の男に言った。