Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うたあんどん

歌行灯

泉 鏡花

Lisez 歌行灯 (うたあんどん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 094 caractères · 72 écrans

Aozora Bunko

「誰や!」

と、不意に吃驚したような女房の声、うしろ見られる神棚の灯も暗くなる端に、べろべろと紙が濡れて、門の腰障子に穴があいた。それを見咎めて一つ喚く、とがたがたと、跫音高く、駈け退いたのは御亭どの。

いや、困った親仁が、一人でない、薪雑棒、棒千切れで、二人ばかり、若いものを連れていた。

「御老体、」

雪叟が小鼓を緊めたのを見て……こう言って、恩地源三郎が儼然として顧みて、

「破格のお附合い、恐多いな。」

と膝に扇を取って会釈をする。

「相変らず未熟でござる。」

と雪叟が礼を返して、そのまま座を下へおりんとした。

「平に、それは。」

「いや、蒲団の上では、お流儀に失礼じゃ。」

「は、その娘の舞が、甥の奴の俤ゆえに、遠慮した、では私も、」

と言った時、左右へ、敷物を斉しく刎ねた。

「嫁女、嫁女、」

と源三郎、二声呼んで、

「お三重さんか、私は嫁と思うぞ。喜多八の叔父源三郎じゃ、更めて一さし舞え。」

二人の名家が屹と居直る。

瞳の動かぬ気高い顔して、恍惚と見詰めながら、よろよろと引退る、と黒髪うつる藤紫、肩も腕も嬌娜ながら、袖に構えた扇の利剣、霜夜に声も凜々と、

「……引上げたまえと約束し、一つの利剣を抜持って……」