Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶけわらじ

武家草鞋

山本 周五郎

Lisez 武家草鞋 (ぶけわらじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 835 caractères · 35 écrans

Aozora Bunko

四

。そういうとき青黝く昏れてゆく山々の向うから、ふとすると誰か自分に呼びかける声が聞えるように感じられ、ふしぎなほど人なつかしい想いを唆られて、つい知らず泪があふれそうになることもしばしばだった。

――なんというしずけさだろう、かれはよく口の内でそう呟いた、――あの山々も樹立も、丘も畑地も、草原も、みんな少しの虚飾もなくあるがままのすがたを見せている、かなしいほどもあるがままだ、こういうところで一生をおくることができたら、どんなにすがすがしく楽しいことだろう……。

四

穏やかな日々が経っていった。

老人は三日にいちどずつ昌覚寺という禅寺へかよい、村の児童たちに読み書きを教えている、村人たちは「西の老先生」と呼んでひじょうな尊敬を示し、老人を見ると遠くから冠り物をとって挨拶をするという風だった。孫むすめはいねという名で、これもまた村の娘たちに裁ち縫いの手ほどきをしているが、老人もいねもそのことでは決して謝礼は受けず、一家のたつきは二人の手内職でまかなっていた、老人は蝋燭を作り、いねは頼まれものの縫い張りなどをして。……伝三郎にはそれがなにか由ありげに思えた、だいいち老人は起きるから寝るまできちんと袴を着けている、蝋燭を作っているときでさえ脱がない、立ち居の動作もさりげないようでいて折目ただしく、どんな場合にも