Classiques japonais avec furigana
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したいろうそく
死体蝋燭
小酒井 不木
Lisez 死体蝋燭 (したいろうそく) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 917 caractères · 10 écrans
羽をひろげて隠れているかのように思われ、法信の股の筋肉は、ひとりでにふるえはじめた。
和尚は再び歩き出したが、さすがの和尚にも、その不気味さは伝わったらしく、前よりも速めに進んで、ひととおり戸締まりを見まわると、蒼白い顔をしてほッとしたかのように溜息をついた。
しかし、和尚は、何思ったか再び恐ろしい本堂に引きかえした。そうして、阿弥陀如来の前に来たかと思うと、真下にあたる勤行の座につき、手燭をかたわらに置いて言った。
「法信、礼拝だ」
法信は機械人形のようにその場にひれ伏した。しばらく和尚とともに念仏をとなえて、やがて顔をあげると、如来の慈悲忍辱の光顔は、一層柔和の色を増し、暴風雨にも動じたまわぬ崇高さが、かえって法信を夢のような恐怖の世界に引き入れた。
「恐ろしい風だなあ」
和尚の言葉に法信はどきりとした。
「時に法信!」
しばらくの後、和尚は突然あらたまった口調で、法信の方に向き直って言った。
「今夜わしは、阿弥陀様の前で、お前に懺悔をしなければならぬことがある。わしは今、世にも恐ろしいわしの罪をお前に白状しようと思う。幸いこの暴風雨では、誰にきかれる憂いもない。