Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ははのへんし
母の変死
田中 貢太郎
Lisez 母の変死 (ははのへんし) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 809 caractères · 4 écrans
よく肉親の身の上に変事があると、その知らせがあると云いますが、私にもそうした経験があります。
私の母は六十七歳で変死したのですが、今でもその時の事を思いだしますと、悲しくてしかたがありません。それは秋のことでしたが、母は長い間口癖のように云っていた善光寺参詣をする事になって、喜んで家を出ましたが、出たっきり何の音沙汰もありません。もっとも母は無筆ですから、自分では書くことはできませんが、宿屋へ著く度に宿屋で書いてもらって投函するように約束してありましたから、私は心配でなりませんでした。母が家を出てから丁度七日目のことでした。夜半に私は大変うなされたらしく良人に揺り起されました。
「おい、どうしたんだ、随分変な声を出したじゃないか、夢でも見たのか」
良人にそう云われて、私ははじめて夢であった事を知りました。その夢と云うのは、母が突然帰って来て、土産だと云って懐の中から蝋燭や線香を出した夢なのです。それが十本や二十本ではありません。それで懐の中の分が無くなると、今度は両方の袂から、それが済むと、更に風呂敷包の中からと言うふうにするので、室の内は忽ち蝋燭や線香で充満になりました。